Cheap Trick 考

2021/1/13 職場で発信

以前の記事に定額給付金でプロジェクターを購入したことを書きましたが、実はプロジェクターの他にもレコードプレーヤーも買ったのです。
去年妻が知人から大量のLPレコードを譲り受け、それを聞くためでした。

以前持っていたレコードプレーヤーはもう憶えてないくらい昔に廃棄してしまってたので、貰ったLPを聴くには新たに買うしかなかったのです。
レコードプレーヤーとカセットテープレコーダーとラジオが一体化されて、プレーヤーで再生したものを MP3 でSDカードに書き込めるというしろ物です。

自分も昔買ったLPを引っ張り出してきて聴いてみたのですが、思わぬ発見がありました。

高校生の頃、Cheap Trick の Surrender という曲がラジオで流れていたのを聴いて気に入り、 LPを買い求めたのですが、当時は
「パパもママも正しいけど、僕のことは放っておいてくれ」
みたいな歌詞だと思っていたのが、今、歌詞の和訳をネットで検索してみると、全然違う、というより裏に深い意味があることが40年以上を経て初めて知ったのです。

“on the couch” を直訳すると「ソファの上で」になりますが、裏の意味が「精神鑑定を受ける」ということだったり、 “rolling numbers” 「ロックナンバー」は「マリファナタバコを巻く」だったり。

それらを総合すると、
「戦場で知り合って結婚した両親が、戦争で負ったトラウマに今でも苦しんでいる」
という当時のアメリカの一面があぶり出てくるのです。

そう思ってみると、Cheap Trick というロックバンドはどうにも曲者です。
そもそも見た目からしてふざけてるのか真面目にやってるのかよくわからない。

ギタリストでリーダーのリック・ニールセンはギョロ目に野球帽・蝶ネクタイがトレードマークで、クールだったり奇抜だったりするアーティストが多いなか、その辺のガキやおっさんがしてるような格好は、逆にロックミュージシャンとしてはあり得なかった。

ドラムのバン・E・カルロスも、ワイシャツ姿にネクタイをだらしなく緩めて、どう見てもうだつの上がらないサラリーマンだし。

ベースのトム・ピーターソンは見た目はまともですが、使ってる楽器が普通じゃない。
12弦ベースという当時でも今でも、そんな変な楽器を使ってる人は他にいません。

ベースは通常、弦は4本で、最近では5弦ベース、6弦ベースなどを使う人も増えてきました。
5弦も6弦も、4弦より音域を広げるための楽器ですが、トムの使ってる12弦ベースは、マンドリンや12弦ギターのような、いわゆる複弦楽器なのです。

通常のチューニングの4本の弦それぞれに、オクターブ上の弦が2本追加され3本で1セットになっていて、 1回のピッキングで3本の弦が鳴る仕組みです。

ロックではギターとベースが同じフレーズをオクターブ違えてユニゾンで弾くケースがありますが、それを一人で出来てしまうというものです。
音域を広げるのではなく、音を分厚くするためなんですね。

元来ベースは弦が太いので、左手の指で弦を押さえるのにギターよりも力が必要ですが、一本の指で3本の弦を押さえなくてはいけない12弦ベースは、誰も使おうとしないのは当然です。

ボーカルのロビン・ザンダーは、唯一まともなようですが、顔が良過ぎる。
ある雑誌(フランスの雑誌のようですが)で「世界一セクシーな男」に選出されたらしく、周りの変人の中で美貌が際立ち過ぎている。
別にルックスで売ってるバンドじゃないので、無駄にイケメンということですね。

以上、一見色物のようなバンドですが、そのサウンドはあくまでタイトでメロディアス、パワフルなボーカルに中高生でもわかるような平易な英語の歌詞、つまるところ俗な言い方ですがゴキゲンなわけです。

なのに、シリアスな意味があったなんて知らなかった。

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